2024年12月2日
特殊清掃員という職業は、一般的にはあまり知られていないかもしれません。
しかし、その業務内容や仕事の特性から一度は耳にしたことがある方も多いでしょう。
この職業は犯罪現場や孤独死など、非常に特殊で困難な現場で清掃を行う仕事です。
では、実際に特殊清掃員として働くことはどれほどきついのでしょうか?
業務内容や給料、そしてこの仕事を選ぶことの長所・短所について徹底的に解説していきます。
特殊清掃員の主な仕事は、事故や事件、孤独死などで発生した死体の処理やその後の清掃です。
これには遺体の発見現場の掃除や、血液や体液の除去、そして強い臭いの消毒などを含みます。
特殊清掃員の業務内容は、ただの掃除ではなく深刻でデリケートな対応が求められるため、一般的な清掃業務とは異なります。
事故や事件、孤独死によって発生した現場の掃除が主な業務です。
血液や体液が床や壁に付着している場合、その除去が必要です。
特に孤独死の現場では、長時間放置された死体による汚染が広がっていることが多く、状況に応じて慎重な対応が求められます。
遺族がいない現場では、遺族の気持ちを考えながら作業を進める必要があります。
死後に発生する強烈な臭いは、特殊清掃業務の中でも特に厄介なものです。
腐敗臭や体液が床や壁に染み込んでいることがあり、それらを取り除くためには、専門の消臭剤や機材を使用して対応します。
特殊清掃員は、その臭いを完全に消し去る技術を持っており、現場に残すことなくきれいに仕上げることが求められます。
臭いの除去は一度だけでは済まず、何度も作業を繰り返しながら最適な方法を見つけていくことが必要です。
血液や体液に含まれるウイルスや細菌を取り除くための消毒作業も重要です。
人体から分泌された液体や分解物は感染症を引き起こすリスクがあるため、徹底的に除菌を行います。
この作業には、専用の消毒薬や消臭機材を使用し、感染症のリスクを完全に排除することが求められます。
現場によっては、物品や家具が汚染されていることもあります。
それらを処分したり、清掃したりすることも業務に含まれます。
特に物が散乱している場合や汚れがひどい場合には、汚れた家具を処理し新しいものを設置する必要があることもあります。
このように特殊清掃員の仕事はただの掃除ではなく、非常に高度な技術と専門知識を要する業務です。
状況に応じて迅速に判断し、適切な方法で作業を進める能力が必要です。
特殊清掃員の給料は、業務内容の過酷さや需要によって変動しますが、平均的には月収30万円〜50万円程度です。
大手の特殊清掃業者ではさらに高い収入を得ることも可能ですが、現場が過酷であるため、給料の水準はそれに見合ったものとなっています。
また勤務時間は不規則で、急な依頼が入ることも多いです。
そのため、夜勤や休日勤務が発生することもあります。
これも給与の一部に反映されていることが多いです。
特に急な現場に対応することになると、時間外手当や深夜手当が加算されることもあり、その分給与が高くなることもあります。
さらに特殊清掃員として長期間働くことで、スキルが評価され昇進やボーナスの増加も期待できることがあります。
特殊清掃員の仕事にはいくつかの長所も存在します。
他の清掃業と比較しても、高収入を得やすい職業です。
特に、深夜や休日の勤務がある場合、給与が上乗せされることが多いです。
過酷な現場で働くため、その分給料が高く設定されていることが特徴です。
この仕事は、ただの清掃ではなく犯罪現場や孤独死の現場で発生した不快な状況を解決し、遺族や関係者に安心を与える仕事です。
社会貢献性が高いという点で満足感を感じる人も多いでしょう。
特に孤独死の現場では、その後の生活環境を整えることが重要な役割を果たしており、社会的にも意義が深い仕事です。
専門的な消臭や除菌の技術、現場対応能力が身につくため、今後も需要のあるスキルを学べる点が魅力です。
この職業は一度習得すれば長期にわたって需要があるため、安定した職業と言えます。
また、他の業界でも応用できる技術を学べるため、キャリアアップが可能な仕事です。
一方で、特殊清掃員の仕事には短所もあります。
特殊清掃員の仕事は現場が非常に過酷で、精神的なストレスを感じやすいです。
遺体や血液、腐敗臭に長時間晒されることもあり、感情的に負担がかかることがあります。
特に孤独死の現場では、故人の生活環境を知ることになり、精神的に疲れることが多いです。
また、作業後も不安感が残ることがあり、感情的なケアが求められることもあります。
一部の現場では、犯罪現場や事故現場に出くわすこともあります。
そのため、危険を伴う業務となる場合もあります。
現場によっては不安定な状況や安全が確保されていない場合もあり、そのようなリスクがあることを理解しておく必要があります。
急な依頼が来ることが多いため、勤務時間が不規則になりがちです。
生活のリズムを整えることが難しいこともあります。
特に、夜間や祝日などに作業をすることが多く、安定した生活リズムを維持するのが難しいという短所があります。
ここでは、実際に特殊清掃員として働いた2名の体験談をご紹介します。
彼らが感じたこの仕事の実態について、彼ら自身の言葉でお伝えします。
最初にこの仕事に就いたとき、思っていた以上に精神的に厳しいものでした。
孤独死の現場を清掃する際、遺族の気持ちを考えるとつらくなります。
でも、やりがいもあります。
特に現場をきれいにして、遺族が安心して帰れる姿を見ると、この仕事を選んでよかったと思います。
ただ、体力的にもかなりの負担があり、体調を崩すこともあるので健康管理が大切です。
私は女性として、この仕事に最初は不安を感じていましたが、実際にやってみると、やりがいを感じることができました。
特に、臭いの除去や消毒作業は専門的な知識を使うので、スキルがどんどん向上していくのが楽しいです。
しかし、やはり現場がきつい時があり、心のケアが必要だなと思います。
休みが不規則なため、プライベートが疎かになることもありますが、それを考慮して長く続けられるようにしています。
特殊清掃員の仕事は肉体的にも精神的にも大変な部分が多いですが、社会貢献性や高収入などのメリットもあります。
給料の面では過酷な現場が多い分、高収入が期待できるため、その点では安定した生活が送れる可能性もあります。
しかし仕事の内容や勤務時間の不規則性、精神的な負担があるため、自分に向いているかどうかをよく考えてから選ぶことが重要です。
佐保 健太郎
「住み込み」に特化した求人サイトのライフジョブを運営。 リゾートバイトや出稼ぎ求人、寮付きの求人をご紹介しています。 学生時代からリゾートバイトや期間工の仕事を複数経験。 出身は兵庫県、特技はお菓子作り。