2024年10月1日
社会人になり新しい環境で働き始める中で、寮生活を選ぶ方も多くいることでしょう。
寮は企業が社員に提供する住居であり、多くの企業がその利便性やコスト面でのメリットを強調しています。
しかし寮生活にはその魅力だけでなく、独自の課題や不便さも存在します。
本記事では、実際に寮で生活している社会人の体験談をもとに寮生活の長所と短所について詳しく解説していきます。
まずは、社会人として寮に住むことのメリットから見ていきましょう。
寮の最大の魅力は、何といっても住居費の安さです。
特に都市部での家賃は高額になりがちですが、企業の寮に住むことで月々の出費を大幅に抑えることができます。
多くの寮では自己負担分の家賃がかなり低く設定されており、場合によっては光熱費やインターネット代も込みで提供されることもあります。
これにより給与の多くを貯金や趣味に回すことができ、経済的な余裕が生まれるのです。
寮の立地は企業に近い場所にあることが多く、通勤時間を大幅に短縮できるのも大きな利点です。
長時間の通勤が社会人にとって大きなストレスとなる中で、職場までの距離が短い寮生活は日々の生活をより快適に過ごすことができるでしょう。
例えば都心のオフィス街に勤務する場合、1時間以上かかる通勤時間が一般的ですが、寮に住んでいるとその時間を大幅に削減しより多くの時間を自分のために使えるようになります。
寮では同じ企業で働く同僚や先輩と一緒に生活することが多いため、自然とコミュニティが形成されやすくなります。
同じ職場で働いていることから共通の話題が多く、交流の機会も豊富です。
特に新入社員や若手社員にとっては先輩たちからのアドバイスや情報共有を受けることで、早く仕事に慣れることができます。
また寮内での交流を通じて、職場以外の場でも仲間を作ることができるため孤独感を感じにくいというメリットもあります。
企業が運営している寮の中には、食事が提供されるところもあります。
特に社員食堂が併設されている寮では、栄養バランスの取れた食事が安価で提供されるため自炊をする手間が省けます。
また寮内にランドリーや共用スペースが整備されていることも多く、生活の便を図るためのサービスが充実しています。
これにより日常の雑務に追われることなく、仕事やプライベートに集中できる環境が整います。
一方で、寮生活にはいくつかのデメリットもあります。
寮では他の社員と共に生活するため、プライバシーが制約されることが多いです。
特に部屋がシェアタイプである場合、共同生活によるストレスを感じることがあります。
壁が薄かったり隣人の音が気になるといった問題も起こりがちです。
さらに生活リズムが異なる同僚との生活は、互いに配慮が必要な場面が増えるため自分だけの時間や空間を確保することが難しく感じることもあるでしょう。
寮には多くの場合、一定のルールが設けられています。
例えば門限や食事時間の制限、騒音を控えるための規則などです。
特に門限が設けられている寮では、自由に外出できる時間が限られるためプライベートな時間に制約がかかることもあります。
また外部からの訪問者に対しても制限がある場合があり、家族や友人を自由に迎えることができないこともデメリットとなります。
寮生活は、個人の生活スタイルに合わせた自由な暮らしがしづらい点も挙げられます。
特に食事が提供されている寮では食事の時間やメニューが決められており、自炊をしたい人や特定の食生活を送りたい人にとっては不便に感じることがあります。
また寮内の共用スペースや設備の使用にも制限があるため、自分の好きな時間に利用できないことがある点も不自由さを感じる要因です。
寮生活は多くの面で便利な環境ですが、その反面、自立心が育ちにくい環境とも言えます。
特に食事や洗濯といった日常的な作業が提供される環境では、自分で家事をこなす機会が減ってしまいます。
そのため将来的に一人暮らしをする際に、急に生活面での課題に直面することも考えられます。
寮を出た後の生活を見据え、適度に自分で家事をこなす習慣をつけておくことが重要です。
ご紹介してきたように、寮生活には多くの利点と同時に特有の課題もあります。
それでは、どのような人が寮生活に向いているのか、また向いていないのかを考えてみましょう。
寮生活に向いているのは、コストを抑えつつも職場に近い場所で生活したい人や、同僚との交流を重視する人です。
特に社交的でコミュニティの一員としての活動を楽しめる人にとっては、寮での生活は大きなプラスとなるでしょう。
また日常的な雑務を減らし仕事や趣味に集中したい人にとっても、寮生活は魅力的です。
一方で、独立心が強く自分のペースで自由な生活を送りたい人や、プライバシーを重視する人には、寮生活は窮屈に感じられることが多いでしょう。
特に規則やルールが厳しい寮では、自由度が低く感じられストレスが溜まりやすくなる可能性があります。
また他人と生活を共にすることにストレスを感じやすい人は、寮での生活に不安を覚えるかもしれません。
私が社会人1年目に経験した寮生活は、メリットとデメリットの両方を実感した貴重な経験でした。都内の企業に就職した私にとって、最初の課題は高い家賃でした。しかし、企業が用意してくれた寮は、家賃が月に2万円と破格で通勤時間もわずか20分。これは、都心で一人暮らしをする友人たちに比べても大きなアドバンテージでした。
寮では同じ部署の同僚や、他部署の若手社員と共に生活をしていたため、職場では聞けないような情報をシェアしたり仕事の相談に乗ってもらったりすることができました。特に仕事で辛い時期には、同じ境遇の仲間と励まし合える環境が心強かったです。寮内のイベントも定期的に開催され、同期との結束が深まったのも大きなメリットでした。
ただ、一方でプライバシーのなさには少し苦労しました。私の部屋は1Kでしたが、隣の部屋との壁が薄く深夜までテレビや音楽の音が聞こえることもありました。自分のリズムで自由に過ごしたい性格の私にとって、他の人の生活音が気になることも多くリラックスできない日もありました。
また門限が23時に設定されていたため、友人と遅くまで遊んだり、気軽に外泊することができなかったのもストレスでした。プライベートな時間が制限されていると感じ、寮を出たいと思うこともありましたが、家賃の安さや職場の近さを考えると、その快適さを手放すのは難しい選択でした。
総じて、寮生活は社会人としてのスタートを切るには非常に良い選択肢だと思います。経済的に余裕ができたおかげで、趣味や貯金にも回せるお金が増え、自分のペースで生活できるようになった今でも、その時の経験が役立っています。しかし、プライベートを大切にしたい方や自由な生活を求める方には、少し窮屈に感じる部分もあるかもしれません。
社会人として寮に住むことには、多くのメリットと同時にデメリットも存在します。
低コストで住居を確保できる点や、通勤時間の短縮、同僚との交流の機会が増えるなど、寮生活の利点は多くの社会人にとって魅力的です。
しかしプライバシーの制約や規則の厳しさといった課題もあり、自分にとってどのような生活スタイルが合っているかをしっかりと考えることが重要です。
寮生活を選ぶかどうかは個々の価値観やライフスタイルに大きく左右されますが、この記事を参考にして自分にとって最適な住まいを見つけるためのヒントにしていただければ幸いです。
佐保 健太郎
「住み込み」に特化した求人サイトのライフジョブを運営。 リゾートバイトや出稼ぎ求人、寮付きの求人をご紹介しています。 学生時代からリゾートバイトや期間工の仕事を複数経験。 出身は兵庫県、特技はお菓子作り。